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法人・個人の記帳・決算・申告・手続きいたします。
(その一)
何となく、やつれた感じのする初老と言うには少し若い男性が私の事務所を訪れたのは今から何年か前の十二月、師走の慌ただしさを感じはじめた頃でした。
数日前にその来訪者から電話があり「自治会連合会の許可を得ております。地域の避難場所の地図の件で是非ご協力を・・・」とのことでした。
「用心深い」のが取柄の私は早速知り合いの自治会長さんに問い合わせて事実の確認を行いました。「各地区の災害時の避難場所を示す地図を各自治会の掲示板の横に設ける。その費用は地図と併せて掲示する広告の協賛料で支弁する。この業務は自治会連合会が(直接)行わず業者にまかせる」との要旨で討議はされたようです。
事務所に来た業者は地図の設置予定地の写真を何枚も示しながら「今ならまだ広告主があまり決まっていないので、どこでも好きな所がとれますよ、着工はこの年末からです。どうですか」と勧めます。「なんぼですか」と広告料を尋ねると「×万円です」とのことで内心、思ったより安いなと感じました。
ねらう場所は当然、事務所に近く、人通りが多く、しかも人目につくところです。そうなると(あそこしかない)・・・「ここ、ここにしてください」と指定すると。「残念ですが○○建設さんがここを予約されてます」と黒や赤のマジックインキの書き込みがある広告のレイアウト用紙を広げて示します。
「なんとかなりまへんか」と言うと「○○建設の社長さんは心安いから何とかしまっさ、他の場所と替わってもらいます」と軽い調子で応じてくれました。「ただ、ここは他より×千円、高おまっせ」と業者は言います。
まあしゃあない金さえ払えば、こっちのもんや、と早速支払いを済ませ「ええ場所がとれた」とその時は、大いに満足していましたが・・・その予定地には未だに「避難場所案内地図」はありません。
その設置予定場所の近くを通る度に思います。「広告関係の支払は現物を確認してからにするぞ、絶対に前払はせえへんぞ」と。そういえば、この話より何年か前にあった「回覧板協賛広告」の件。どなたか私の事務所の広告が出ている「回覧板」を見られたら、私にも回覧してください。また、私の事務所の広告が付いている「避難場所案内地図」を見られたら、その場所に私を案内してください。
(社)茨木納税協会茨木青色申告会
「青申ニュース」
第166号(平成11年8月5日)に寄稿した一部分です
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