法人・個人の記帳・決算・申告・手続きいたします。
(その二)
ある日、ある会社の出納帳を見ていた私は十数万円の支出に何となく不審を抱き、社長にその内容を尋ねてみました。
「じつは、それは興信所に支払ったものでして、うちのある取引先からその興信所に調査の依頼があり調べさせてもらっている。社長から直接聞きたいこともあるので訪問したいと電話がありまして、ちょうど大事な取引先から大きな商談があった時で、この件絡みかと思い面談に応じたのです」
私は社長から興信所の名前を聞き、その興信所が業界大手の○○○に似た名前で、ますます怪しさが感じられました。
「それがまた親切な調査員でしてね、自分の上司に私の目の前で電話をかけて我社を好意的に評価した報告をしてくれてました。私もその上司と直接話しをさせてもらい、その時、これを機会にその興信所の会員にならないかと勧められて入会しました」
「あれ、社長さん、その話はこの『本』に出ているのとそっくり同じですよ」と私は、手許の文庫本を社長に示しながら、その本に出ていた詐欺商法を説明しました。
善良なる皆様(私も含め)ある日突然かかってくる正体不明の電話にはご注意ください。そんな電話に対処する方法もありますのでお知らせします。《ご注意・この方法をお使いになられた結果についての責任は一切取れません》
怪しい電話には「ただいま手を離せません、後ほどお電話させて頂きますので、恐れ入りますがそちら様のお電話番号とご担当者のお名前をお教えください」こう言えば、ほとんどの「アブナイ」電話は撃退できるそうです。もし長距離の市外局番を先方が言えば「当社は経費節減中です、コレクトコールを使わせていただきます」と言ってみましょう。
また、私が社長に示した本は、あの直木賞作家、浅田次郎の著書「極道放浪記(一)殺られてたまるか!」おもしろい本ですよ。
(社)茨木納税協会青色申告会
「青申ニュース」 第166号(平成11年8月5日)に掲載した文書です。
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